
【オープニング:国内外の先駆的取り組みからの示唆(大会長講演にかえて)】
【ねらい】メインテーマを実現するにあたり、示唆深い国内外の病院の事例をご紹介いただきます。
1) Session 1. What role does a public hospital play in the community?
海外の国立病院院長(調整中):病院の気候変動対策、地域住民との対話、医療事故対策、他
高垣有作:国保すさみ病院名誉院長、第65回全国国保地域医療学会学会長、第13回赤ひげ大賞受賞者
病院の高台移転(津波対策)、人口減少への備え、往診・在宅医療への工夫
2) Session 2. 地域経済循環構造の改善に寄与する医療とは?
地域循環型就労支援から地域ブランド構築へ:愛南町での精神科医療の先駆的取り組み
長野敏宏(公益財団法人正光会御荘診療所長)
ニューヨークで長年地域精神医療モデルを構築してきたアレン・フランシス医師(精神科医)が、ニューヨークブロンクス、
イタリアのトリエステに続き、「言葉ではなく決定的な行動で偏見が解消された」世界3大モデルのひとつとしてPsychiatric
Timesに紹介した取り組みです。フランシス医師は、次のように長野先生の取り組みを称えています。
「愛南町では、患者は、ホテル、スパ、レストランと、創造的なサービス、コンビニエンスストア、造園会社、介護施設、
水産会社、墓地、キャンプ場、利益のあがるアボカドやミカンを栽培する大規模果樹園の職員として働いている。」
「愛南町では、まちでの社会の営みに、また経済機能の源泉として包摂されている」「心情的に優れているだけでなく、
患者が障害年金ではなく一般就労で稼ぐことにより、経済的にも優れている。」
「愛南町でのほとんどの予算は、公的保険とビジネス収入(註:非営利法人の事業収入)の組み合わせで構成されている 」

高垣有作先生(左)
【Ⅰ.地域医療と歴史】
【ねらい】変化する社会で地域医療を担う医師は、地域医療の経験から育んだ哲学的思考と実臨床から練り上げたソーシャル・イノベーションで、先駆的な取り組みを続けてきました。足跡を振り返ります。
3) 医師 本居宣長の考える地域医療 12月3日(木)15:15~15:55
西山杏奈先生(本居宣長記念館)
源氏物語や古事記を研究し「もののあわれ」を示した国学者である本居宣長は、日中は往診で生計をたてていた松阪(三重県)の医師でした。晩年に門人に伝えた学問への姿勢(「うひ山ぶみ」)を含め、臨床経験と思想の形成との関係をご紹介いただきます。
4) 当院に併設され後藤新平も学んだ須賀川医学校について(仮題) 12月3日(木)15:55~16:25
土屋貴男(公立岩瀬病院院長、福島県)
明治5年創立(当時東京以外で開設された病院は全国で2~3か所)。翌年に須賀川医学校が併設され、後藤新平をはじめ、全国から医療を志すものが学びました。1882年、板垣退助が暴漢に襲われた事件(「板垣死すとも自由は死せず」との言葉を述べる)で、板垣を診察した後藤新平の診断書も供覧いただける予定です。
5) 後藤新平の検疫事業から考える医療マネジメント戦略(仮題) 12月3日(木)16:25~16:55
第65回日本医療・病院管理学会学術総会プレ企画
山内一信(東員病院 認知症疾患医療センター院長、名古屋大学・藤田医科大学名誉教授、東海病院管理学研究会会長、日本医療・病院管理学会 名誉会員)
【抄録】後藤新平は須賀川医学校で医学を勉強、その後、愛知県公立病院及医学校に着任、ローレツからの衛生学を学ぶとともに、大阪陸軍臨時病院で西南戦争負傷兵の治療にも参加し、衛生学の重要性を認識した。これをもとに『国家衛生論』を出版、その後、起こった海外での戦争からの帰還兵23万人の検疫を成功させた。この手法は、コロナ感染症の水際作戦、さらに今後起こるかもしれない新興感染症などに対しても、新たな示唆を与えると思われる。
6) 早朝エクスカーション(医学部福室キャンパス近郊での白鳥観察)
JR仙石線「陸前高砂駅」(仙台駅から約15分)集合 https://polr.tohoku-mpu.ac.jp/94c

馬場基先生
【市民公開講座】
7) 市民公開講座1:歴史学・考古学者の考える医師修行と働き方改革 12月4日(金)15:00~16:30
江戸時代の医師修業と大槻玄沢 海原亮(住友史料館)
奈良時代の働きすぎ:木簡の記録から 馬場基(奈良文化財研究所)
「江戸時代の医師修業(吉川弘文館)」の著者である海原先生からは、江戸時代の医学教育について、また北日本でなぜ蘭学が先駆的に取り入れられたのかを、大槻玄沢による仙台藩の医学教育への提言を含めてお話をいただきます。馬場先生からは、出土した奈良時代の長時間労働記録の木簡をはじめ、当時の勤労者の生活や災害との関連をうかがいます。
【Ⅱ.地域医療構想と地域医療を担う医師養成】
【ねらい】新たな地域医療構想の検討が始まり、医師偏在の是正に向けた総合的な対策パッケージの実装も進められています。人口減少と医師偏在という社会課題にいち早く直面している東北での先駆的な取り組みを共有し、今後都市部で深刻化するテーマへの手がかりとして議論します。
8) セッション:北日本など山間部での新しい地域医療連携推進法人 12月3日(木)13:00~14:30
丹野弘晃(上十三まるごとネット:上十三地域医療圏、十和田市立中央病院で事業管理者、本セッション企画代表者)
和泉 裕一(上川北部医療連携推進機構:上川北部二次医療圏、名寄市病院事業 [名寄市立総合病院・名寄東病院] 事業管理者)
後藤忠雄(複数診療所をネットワーク化した県北西部地域医療ネット:代表理事、県北西部地域医療センターセンター長)
9) セッション1:地域医療のための医師の養成と定着の取り組み 12月4日(金)9:30~11:30
座長:中野徹(東北医科薬科大学の修学資金医師支援センター長)
基調講演1:東北医科薬科大学医学部の歩み:設置から10年を迎えて
柴田近(東北医科薬科大学医学部長)
基調講演2:自治医科大学の歩み:設置から54年を迎えて
小谷和彦(自治医科大学教授、地域枠医師等キャリアデザイン機構代表理事)
パネルディスカッション
指定発言:都道府県におけるキャリアコーディネータ制度の概要
橋田知明(東千葉メディカルセンター救命救急センター長、千葉県キャリアコーディネータ)
10) 全国をリードするオンライン診療先進地域【企画中】
【市民公開講座】
11) 市民公開講座3:こんなことで死にたくなかったー法医学者が知っている高齢者の「意外な死因」と予防策
高木徹也(東北医科薬科大学医学部法医学教室教授) 12月4日(金)12:40~13:10
12) 市民公開講座4:ヘルスケアBCPコンソーシアム(企画中) 12月4日(金)13:15~14:45
企画:有賀徹(コンソーシアム代表理事、労働者健康安全機構顧問、
日本病院会救急・災害医療対策委員会委員長、元日本救急医学会代表理事[東日本大震災当時])

【Ⅲ.災害への備えと地域医療】
【ねらい】大規模地震の予知と風水害の激甚化に直面し、災害への備えは地域住民の医療を担う病院にとって大きな課題です。「病院を強くする」という観点に加えて、「災害に強い地域づくりに寄与する医療」という新しい取り組みを、ご一緒させて参りました組織と企画します。また貞観地震(869年)および東日本大震災(2011年)の震災遺構への見学を含むエクスカーションを企画します。
13) 【学会参加者事前登録者限定】災害への備えと医療―国連の災害対策 12月4日(金)10:00~11:30
栗山進一(東北大学 災害科学国際研究所所長):災害科学国際研究所と地域医療(仮題)、ほか
14) 特別講演: リベリアにおけるエボラ対策の経験(2014~2015)から考える感染症危機管理(仮題)
12月3日(木)1300~13:45
吉川徹(労働者健康安全機構 労働安全衛生総合研究所 研究推進・国際センター、右写真)
15) ジョイント企画:地区防災計画学会/内閣府防災担当(調整中)
16) エクスカーション(※:途中での乗車・下車可能)仙台駅東口発(8:15)→東松島市震災復興伝承館→東松島市保健センター→松島にて昼食・自由散策(※下車可能)→松島発(14:15※乗車可能)→震災後の復興住宅エリアを車窓見学→末の松山(百人一首等で詠まれた歌枕)→多賀城駅(※下車可能)→国府多賀城駅(※下車可能)→仙台駅着16:00
*大槻俊才(1806~1862):神田お玉ケ池私設種痘所開設(東京大学医学部初代医学部長)

【Ⅳ.地域経済と医療】
【ねらい】労災病院は、もともと炭鉱や地域の地場産業に従事する労働者の医療を担うために設置されました。しかし産業構造が変化し、当初の趣旨が変化・消滅しており、労災病院の新たな地域での役割を模索しています。地域における「勤労者医療」、さらに一般化すれば「地域経済と医療」の在り方の検討であり、どの地域の医療機関においても共通のテーマです。労働者健康安全機構本部勤務時代から研究テーマであり、これまでの研究成果をベースに、「地域経済と医療」のこれからの在り方を考えます。
17) 社会的共通資本からみたと労災病院・地域医療への期待 12月3日(木)13:15~14:45
占部まり(宇沢国際学館代表取締役、内科医)【ビデオメッセージ】
18) 地域経済に寄与する医療とは? 経済地理学会ジョイント企画(企画中)
司会:千葉昭彦、庄子元(東北支部、右写真) 12月3日(木)13:15~14:45など
中澤高志:検討中
加藤幸治:医療機関からの距離に関する自治体分析(仮題)
小池司朗:人口動態から考える非東京圏のこれからの可能性(将来予測モデル:仮題)
【2026年6月~7月にプレ・セッション(オンライン)を企画中】
19) 小規模事業所における産業保健:全国土木建築国民健康保険組合の事例から12月4日(金)午後
司会:依田晶男(全国土木建築国民健康保険組合)、金子善博(労働者健康安全機構)
労働者健康安全機構における取り組み:金子善博(労働者健康安全機構本部研究ディレクター)
地域産業保健センター等での取り組み(企画調整中)
全国土木建築国民健康保険組合の取り組み:依田晶男(全国土木建築国民健康保険組合)
健康支援室による具体的な支援(仙台健康支援室、企画調整中)
20) 教育講演: 地域経済循環構造分析入門【企画・調整中】

【教育講演・ジョイント企画】
【ねらい】第74回大会に関連するジョイント企画を、関係組織と準備しています。新しい領域や情報に接する機会にしていただけますと幸いです。
24) 教育講演1: 救急医の働き方改革の最前線とドクターカーの運用(調整中)
25) 共同企画1: 日本職業・災害医学会・日本総合病院精神医学会 12月4日(金)13:15~14:45
テーマ:頭部外傷・脳卒中後の精神障害:急性期から社会復帰までの必要な支援を多職種で考える
企画・司会: 豊田章宏(日本職業・災害医学会、中国労災病院 治療就労両立支援センター所長)
竹内崇(日本総合病院精神医学会治療戦略委員会委員長、東京科学大学)
登壇者1:佐伯覚(産業医科大学リハビリテーション医学講座、教授)
登壇者2:吉田賢史(大阪ろうさい病院治療就労両立支援センター、公認心理士)
登壇者3:船山道隆(足利日赤病院、精神保健指定医)
登壇者4:稲次基希(東京科学大学、脳外科医)
26) ジョイント企画4: 日本サイコカーディオロジー学会(調整中)
・国立高度専門医療研究センター共同プロジェクト作成研修資材配布
「循環器疾患とうつ」研修資料:事前登録者には無料配布(当日参加者実費配布)
27) ジョイント企画2: 第65回日本医療・病院管理学会学術総会プレ企画(調整中)
企画:勝山貴美子(日本医療・病院管理学会)2026年12月6日(日)9:00~21:30(変則開催)
【ワークショップ】
28) ワークショップ:倫理コンサルテーション入門 ~4分割表を使ってみる~
開催日 【調整中】2026年12月3日(木)または4日(金)
開催形式 ミニ講演+小グループでのワークショップ
参加人数目安 30名以上
企画・運営 横浜労災病院倫理コンサルテーションチーム(リーダー:周藤 高)
【ねらい】第73回大会の会長講演で、横浜労災病院では病院として臨床倫理に対応できる組織・体制づくりと、他学会での臨床倫理コンサルテーションワークショップの開催をされていることをうかがいました。臨床倫理の概念に必ずしも馴染みのない方もいらっしゃると思いますので、臨床倫理の基本である「4分割表」の作成を体験していただく構成のワークショップをご企画いただきます。
29) 治療就労両立支援センター間交流(東北労災病院治療就労両立支援センター、企画中)
30) 地域医療との関係(東北労災病院糖尿病内分泌高血圧内科、企画中)
懇親会前のひと時:東北医科薬科大学アンサンブル部演奏
【曲目】検討中(春頃発表予定)

【エクスカーション(追加情報)】
エクスカーション:多賀城~東松島の歴史と災害遺構
12月5日(土)、定員50名、2026年3月募集開始(先着順)、最少決行人数あり
【予定】
仙台駅東口(8:15発)→東松島市震災復興伝承館→ 東松島市(大槻俊斎*とコロナ対応)
→松島にて昼食・自由行動(途中下車可能)→震災後の復興住宅エリア車窓見学
→末の松山(多賀城駅:途中下車可能)→国府多賀城駅(途中下車可能)
→仙台駅東口(16:00)
*大槻俊斎(1806~1862):神田お玉ケ池私設種痘所開設(東京大学医学部初代医学部長)
:**契りきなかたみに袖をしぼりつつ末の松山波越さじとは(清原元輔[清少納言の父])
末の松山
白萩(宮城野区福住町公園)
早朝ミニ・エクスカーション(医学部宮城野区福室キャンパス***近郊での白鳥観察)
12月4日(金)午前7:00集合(予約不要・自由解散)
JR仙石線「陸前高砂駅」(仙台駅から約15分):七北田川までお連れいたします
2022年~2025年(例年11月後半に白鳥飛来)もしかしたら羽ばたきに遭遇できるかも
***宮城野:宮城野の露吹きむすぶ風の音に小萩がもとを思ひこそやれ(源氏物語、桐壺)

大槻俊斎像(手塚治虫の親族)
まんが「陽だまりの樹」で詳述


